フォルムのイメージは、山あいの谷間から、静かに風を切り飛び立とうとしているグライダーの翼から始まり、軽やかな構造の屋根で浮遊間を持たせた。雑木の敷地に埋没させようと考え、植栽用土面を残し、谷筋の方向に配した。全体は、階段によって、縦の連続性と内外の回遊性を計った。道路から玄関ホールへ潜り込み、谷間から広がる眺望開ける居間、食堂へと続く。最下層部には、最も自然に近い場所にタイル張りのテラスがある。そして、この上下階に挟まれて、少々閉ざされ色と光が抑制された個室群がある。